理事長所信Message

公益社団法人 諏訪圏青年会議所
2024年度理事長 宮坂 宥憲

理事長所信

私が青年会議所(JC)に入って最初に感じ、驚いたことは、真剣に地域のことを考え本気で行動している人たちが、こんなに大勢いたのかということです。地域の課題や青年会議所活動に真剣に向き合って、本気で取り組んでいるメンバーの姿に、私は自然と感化されました。その仲間に入ることが出来て本当に良かった!私たち青年会議所の勇気ある挑戦と確かな成長は、地域の明るい未来に繋がる「まちづくり」だと、私は確信しています。2024年、これまでの経験を糧に、かけがえのない仲間たちと共に、地域の課題に真摯に向き合い、地域により良い変化をもたらすために、青年会議所活動・運動を展開していきます。

本気ですれば 大抵なことはできる
本気ですれば なんでも面白い
本気でしていると 誰かが助けてくれる
(後藤静香、1884-1971)

青年会議所は、地域の課題を解決することで、明るい豊かな社会の実現に向けて活動をする団体です。その過程で、奉仕の精神を学び、リーダーシップを育み、同世代の仲間と絆を深めることができる機会が与えられています。せっかく出会うことが出来たこの機会、40歳までという限られた時間の中でこの機会を活かせるかどうかは、自身がどのように青年会議所活動に向き合うのかに懸かっています。

青年会議所活動の中では、自分に自信がなかったり、未経験だったり、不安を感じることもあります。私自身も、もちろんそうです。しかしながら、本気で自己成長と社会貢献に努めてきた尊敬すべき先輩たちが、成果を上げ、継承し、今日の諏訪圏青年会議所があります。情熱をもって本気で向き合うことで、私たちにも先輩たちと同じ、あるいは更なる成果を上げられるはずです。
本気ですれば  JCのことはできる

委員会や例会、総会や事業など、青年会議所のどんな活動も、本気で取り組み、挑戦することで必ず新たな経験や発見が生まれます。ただし青年会議所は、自分が楽しい、面白いと思っていることだけをやる組織ではありません。やりたいことをやるだけなら、自分の会社や個人で好きなようにやればいいだけです。困難に立ち向かいつつも、明確なビジョンを持って青年会議所の活動に取り組むことで、自身の成長とリーダーシップ能力の向上を確実に実感することができます。また、その過程で多様な視点や新たな知識も得られます。そうした経験に面白さや楽しみを見出すことができると思いませんか。その一つひとつの瞬間に全力で取り組めば、きっとどんなことも楽しく、面白いものになるはずです。
本気ですれば  JCは面白い

青年会議所の魅力の一つは、新しいことに挑戦し、その過程で失敗しても学ぶ機会が提供されている組織であるということです。一般社会では失敗が許されない場面は多々ありますが、自分達の会費だけで活動をしている青年会議所ですから、失敗したところで経済的にも社会的にも信用を失うリスクは少ないはずです。

ただし、いい加減に行った結果の失敗と、本気で行った結果の失敗はまったく違います。本気で取り組んでいれば、必ず誰か=仲間(Jaycee)が助けてくれます。その結果で失敗しても、深まるのは“キズ”ではなくて“キズナ”です。そして必ず、自身の学びや成長に繋がります。本気を出せるのは「今」しかありません。過去に本気を出さなかったことは後悔にしかなりません。未来に本気を出せるかどうか今は判断できません。だからこそ、失敗を恐れず、仲間を信じ、地域により良い変化をもたらすために、明るい豊かな社会の創造に向けて、「今」こそ「本気」で青年会議所活動に取り組みましょう!そして必ず心に留めておいてください!
本気でやれば  仲間(=Jaycee)が助けてくれる

共に地域を輝かせる、意識づくり

日本の地方都市が立ち向かっている多くの課題。諏訪圏域も例外ではありません。少子高齢化が進行し、地元企業がグローバル化の流れに対応し切れず、産業の活性化や雇用の安定化は深刻な問題として積み重なっています。観光業の振興もまた、私たち全体で向き合っていかなければならない重要な課題となっています。

しかしながら、こうした課題に対して一人ひとりが個別に立ち向かうことは難しいです。なぜなら地域住民それぞれが自分の生活に忙殺され、多方向に注目が向いているからです。しかし、地域をより良く、もっと暮らしやすくするという思いを抱く数人が行動に移すだけでも、地域は少しずつ変わっていきます。

デレク・シヴァーズ氏のTEDにおいて、「ムーブメントの起こし方」について解説した動画をご覧いただいたことはあるでしょうか。上半身裸の男性が一人で踊り始め、それが次第に大勢の人々に広がっていき、大きなムーブメントを生み出す様子が描かれています。一人目の男性が踊り始めなければ、何も始まらなかったでしょう。二人目が参加しなければ、一人目はただの「変な人」で終わっていたかもしれません。変革の起点は、一人目が踊り出す勇気と、二人目が参加する勇気にあるのです。

私たちは地域のリーダーとして、一人ひとりがまちづくりに積極的に関与し、地域を明るく豊かにするための勇気ある行動が求められています。その一歩目の勇気が、住民の意識を無関心から関心へ、関心から興味へ、そして興味から愛着へと引き寄せます。その一歩一歩が輪になり、地域全体が変革の道を歩み始めます。

諏訪圏青年会議所は、変革の起点となる存在になるべきです。住民参画型のまちづくりを推進し、一人でも多くの住民に対し意識の変革を引き起こす存在でありたいと思います。私たちは一歩ずつ前進を続け、心に響くまちづくりを進めてまいります。未来への希望を胸に、私たちの使命を果たすために、共に前進し続けましょう。

可能性を引き出す、ひとづくり

私たちが目指しているのは、一人ひとりが明るく豊かに暮らせる社会の実現です。しかし、現在、地域産業の衰退、新たな成長分野の不足、地域企業間の連携不足、そして起業に必要な知識やスキル不足といった課題が存在しています。これらの課題は、国内における地域間の経済格差の拡大、更には地方都市と都心部との人口流動の影響を受けていると考えられます。このままでは、私たちの地域の魅力が失われてしまうかもしれません。

私たちは、このような課題に立ち向かい、メンバーだけでなく、地域住民、そして未来の子どもたちが安心して暮らせる未来を描き出すことに全力を注ぎます。私たちは、地域全体の活性化と共に、一人ひとりが成長し、自らの能力を最大限に引き出すことが、使命だと考えています。

地域住民一人ひとりが自己の能力を活かし、持続的な経済発展に寄与できる環境の創出を目指していきます。地域の豊かな資源や特産品を活かした新たな産業分野の発掘と育成は、そのために欠かせない要素です。さらに、起業やビジネスの知識やスキルを身につけることで、一人ひとりの可能性を最大限に引き出し、地域の振興に寄与できるようになることを期待しています。

私たちは、地域の未来への希望を大切にし、誰もが誇りを感じられる豊かな社会を築くことを目指しています。諏訪圏青年会議所は地域のリーダーとして、地域住民と共に、持続的な発展と人びとの成長を促進し続けます。

明るい未来を共に描く、仲間づくり

長く続いたコロナ禍がようやく収束し、行動制限のない日常が青年会議所にも戻ってきました。しかしこの期間に多くの経験豊富な先輩方が卒業を迎え、現在の諏訪圏青年会議所のメンバー構成は入会歴の浅いメンバーが多数を占めています。これに伴い、JCIクリードやミッション・ビジョンといった青年会議所の基本的理念を正しく理解するメンバーが少なくなっています。

これからも持続可能な活動を展開し、運動を次代に繋げていくためには、新たなメンバーの参加が不可欠です。しかし、新たな仲間を迎え入れるには、ただ人数を増やすだけでは不十分です。青年会議所の理念やビジョンに共感し、それを具現化する意欲と能力を持つ仲間を求めています。そのためにも、今一度メンバー一人ひとりが私たちの理念やビジョンを再確認し、共感することが必要だと考えます。

私たちは、同じ志を持つ仲間と未来を描くことの大切さを共有します。その共有した理念が、私たち諏訪圏青年会議所をより高みへと導くはずです。

共に理念をもつ仲間と進むことで、私たちは困難を乗り越え、より良い社会を築き上げることができます。そして一人でも多くの理念に共感する仲間と共に、新たな歩みを進めていきます。その一歩一歩が、私たち全員が共に描く明るい未来への道標となることでしょう。

子どもたちが地域に誇りをもてる、自身の夢を描ける未来づくり

地域に根ざした生活体験や自然体験が、子どもたちの将来の定住志向を高める要因となっていることが様々な研究データから明らかになっています。少子高齢化が加速する私たちの諏訪地域において、子どもたちが地域への誇りを自然に感じ、深く心に響く環境の整備は必要不可欠であると考えます。そしてその中で、子どもたち自身が自分の夢を描き、それを追求できる力を育むこともまた重要です。

私たちの住む諏訪地域は、美しい自然環境を背景に、様々な独自の文化、伝統、伝承を誇る地域です。これらの素晴らしい要素が連携し、力強く地域産業を発展させてきました。それは一見すると単なる地理的な特性かもしれませんが、私たちにとっては、この地域を特別で素晴らしいものにし、私たちのアイデンティティを形成する核となる要素です。

私たち青年経済人の責務は、子どもたちにこの地域を愛し、誇りを持つきっかけを提供することであり、また子どもたちが自身の夢を描き、それを追及する力を育む支援をすることでもあります。そのために、私たちは自身が生きるこの地域の特性と価値を、しっかりと理解し、子どもたちに伝えていく役割を果たす必要があります。それが地域の未来を創り、子どもたち自身の未来を形成する一助となります。

諏訪圏青年会議所として、私たちは子どもたちが自分の地域に誇りを持ち、それを未来に繋げるための活動を展開していきます。子どもたちが地域をより深く理解し、愛する気持ちを育むことが、私たちが目指す地域社会の発展と繁栄につながると信じています。共に、地域に誇りを持つ子どもたちの未来を築いていきましょう。

参画と成長を促す、組織づくり

私たち諏訪圏青年会議所の使命は、ただ社会に貢献するだけでなく、その一環として自己の成長を追求することでもあります。しかしながら現在、総会・例会・事業の出席率が低下しています。これは総会が最高議決機関であるという認識不足から来ていると思われます。

総会は私たちの活動において極めて重要な役割を果たします。それは全てのメンバーが平等に参加し、積極的に意見を出し合い、私たち青年会議所の進むべき方向を共に決定する場所だからです。この場所での話し合いは、単に会話を交わすだけではなく、具体的な活動や青年会議所の方向性を決定し、メンバー全員で行動するための一体感を醸成します。この参加と一体感こそが、私たち青年会議所の活動が社会に真の影響を与え、私たち一人ひとりが成長を遂げる基盤となります。だからこそ、総会への出席率の低下は深刻な問題です。私たちはこの状況を改善するために、総会の在り方を今一度見直し、メンバー全員が参加しやすい、あるいは参加したくなるような環境を整えていきます。

また、地域住民に対しても私たちの活動を理解してもらうことが重要だと考えています。そのため、SNSをはじめとした様々な広報手段を積極的に活用し、日頃の活動を広く地域に伝えていきます。これにより、地域の皆様に私たちの活動の意義や価値を理解してもらうことで、更なるサポートや協力を得られるようになると考えます。

組織全体に対しての理解と関心を深め、意識を高めていきます。そして、その過程でリーダーシップとスキルを向上させ、一人ひとりが成長を遂げることができる組織を創り上げていきましょう。私たちの組織への参画が、自己の成長と地域への貢献に繋がることを強く信じています。

歴史と未来を繋ぐ、共生づくり

私たち諏訪圏青年会議所は、まもなく創立25周年を迎えます。これまでの歩みを振り返りながら、新しい未来に対するビジョンを持ち続けることの重要性を改めて感じています。創立時に掲げられた「諏訪はひとつ」の精神は、その後の運動指針、行動指針の基礎となり、私たちの一貫した活動・運動を支えてきました。そして創立20周年を迎えた2020年には、地域の未来を創る真の意識変革団体となるべく「2020年代スローガン」を掲げました。20年代も半分に差し掛かり振り返りを迎える今、私たちはそのスローガンを十分に体現できたと言えるでしょうか。

2019年入会の私にとって、2020年代はすなわち、私が青年会議所活動を行ってきた期間そのものになります。この間、多くの人に出会い、学び、成長の機会を得ることが出来ました。そのことは、私自身にとって何にも代えがたい経験です。一方で諏訪圏青年会議所として掲げた「2020年代スローガン」を体現できていたのかは、検証が必要です。個の成長から組織の成長へ繋げていくという意識改革をし、住民参画の事業を構築し、住民を導くリーダーになっていかなくては、スローガンは言葉だけ、形だけのものになってしまいます。

私たちが掲げたものに対してどう行動してきたのか、そしてその結果、何が達成できたのか、また何が出来なかったのか、過去のスローガンをしっかりと検証し、見つめ直すことで、これまでの経験と学びを次代の活動へと活かしていくことができます。そのためには、私たちはこれまでの歩みを検証し、想いを継承すると同時に、新たな歩みへと進んでいく決意を新たにします。新たな歩みが始まる創立25周年の節目に、私たちは再び「諏訪はひとつ」の精神を胸に、目指すべきビジョンを持ち、地域により良い変化をもたらす新たな活動へと進んで参ります。本気ですれば、必ずできます。本気ですれば、絶対に面白いはずです。本気ですれば、仲間が、地域の住民が助け合って、より良い諏訪地域の未来を築いていけるはずです。

青年会議所運動を発信する最大の場、輝きづくり

2022年から開催している「諏訪圏フォーラム」を、今年度は諏訪圏青年会議所運動を広く発信する場と位置づけ、私たちの一年間の活動や運動を体現し、共有する最大の舞台としていきます。

すべての委員会と局が一体となり、さらには地域の様々な団体を巻き込み、共に、地域により良い変化を起こすきっかけを作り出します。諏訪圏フォーラムはただのイベントではなく、地域の活性化に寄与するツールであり、新たな可能性を生むプラットフォームとしていきます。

そして、私たちが目指すもの、それは「輝きづくり」です。諏訪圏青年会議所メンバーだけでなく、参加するすべての人々、そして地域自体が共に輝く場所、それが諏訪圏フォーラムです。諏訪圏フォーラムによって地域の輝きを引き立てると共に、諏訪圏青年会議所自体の存在感と役割を高めることができるはずです。一人ひとりのメンバーがその最高の姿を示す「輝きづくり」を通じて、私たちの活動が地域全体を照らし出すことを信じて、今年度のフォーラムに挑んで参ります。

地域の明るい未来に繋がる、まちづくり

最後に、日本の地方都市は、諏訪地域も例外ではなく様々な問題で困難に直面しています。しかしながら私たちの生まれ育ったまち、歴史と誇りのある故郷がただただ衰退していく様を、子どもたちに見せたくありません。私たち青年会議所は、そうした地域の未来を描き直す力を与えられている団体なのです。だからこそ、せっかくやるなら、未来を変えていくために、真剣に向き合い、本気で活動していきましょう。

大隈重信が青年に向けた言葉に、次のような言葉があります。
「学問は脳、仕事は腕、身を動かすは足である。しかし、卑しくも大成を期せんには、先ずこれらすべてを統ぶる意思の大いなる力がいる、これは勇気である。」

つまり、本気を出すために必要なのは、ほんの少しの勇気だけなのです。

第二の青春ともいわれる青年会議所。しかし青春とは一瞬で過ぎ去っていくもの。泣いても笑っても40歳まで。過去の青春を振り返り、未完成のまま過ぎ去った何かを後悔したことはありませんか?それとも、やりたかったことを追求せずに終わったことに後悔していませんか?これからの青年会議所の時間は、後悔しないため、そして、それぞれが描く理想の未来を実現するための時間にできるはずです。まだ達成していない夢は何ですか?あなたが望む社会の姿は何ですか?その夢とビジョンを共有し、力を合わせて一緒に作り上げましょう。青春を全力で生きていくために!

今こそ、失敗を恐れず、志高く、勇気を出して挑戦し、地域に希望をもたらす変革の起点となることを意識し、青年会議所活動に取り組んでいきましょう。私たちの勇気ある挑戦と確かな成長が、地域の明るい未来に繋がる「まちづくり」に他なりません。その挑戦の先に、輝かしい諏訪圏の未来が創造できると信じています。

「Positive Change !」
~未来に繋がる、挑戦と成長のまちづくり~